ホットな高尾山情報(36)
【2023.9.10 気ままな小天狗より】
今年の夏は気温35°Cを超える連日の猛暑。“しゃり(ご飯)バテ”ならぬ“暑さバテ”を痛感。まさに車でいえば“オーバーヒート”状態。植物や昆虫はこの暑さをいかにやり過ごすのだろうか!
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ホットな高尾山情報(35) (8月下旬編) ~秋の気配があちこちです~
【2023年8月26日の情報、高尾山GC作戦幹事】
8月下旬となりまだまだ厳しい残暑が続いていますが、高尾山は秋の気配があちこちです。
岩の間を流れる小仏川は深山幽谷の涼感たっぷりです。小仏川遊歩道はフジカンゾウやヌスビトハギが花を咲かせミニミニサングラスの実をつけています。タマアジサイやハグロソウ、アキノタムラソウが咲き残っています。センニンソウが咲き出し、その近くでコボタンヅルが良く似た形の花をつけています。花は似ていますが葉っぱが異なります。秋の七草の一つクズが花をつけています。
蛇滝の登りではユウガギクやシロヨメナが咲き出しています。4号路ではタカオヒゴタイが蕾をつけ、キッコウハグマが閉鎖花をつけています。山頂のクヌギの団栗が大きくなっています。早くもイロハモミジが赤くなっています。紅葉ではなく赤い若葉のようです。
1号路ではタマゴタケが白い殻から真っ赤な顔を出しています。モミジガサの蕾から雄蕊が飛び出し、ヤマホトトギスがユニークな形の花を開き、ナガバノコウヤボウキが咲き出しています。高尾山では秋の草花が咲き出しています。
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ホットな高尾山情報(34) (8月上旬編) ~暑くて山が干乾びそうです~
【2023年8月5日の情報、高尾山GC作戦担当】
7/22の梅雨明け後殆ど雨が降らない高尾山は、高温と水不足で干乾びそうです。日影沢は水が少なく、山側の斜面は乾燥した土がむき出しです。それでも草木は花を咲かせ実を結んでいます。
日影林道ではタマアジサイの球状の蕾が弾けだしています。ハグロソウが鮮やかなピンク色の花を咲かせていますが写真では白っぽく写り鮮やかな色がでません。ヌスビトハギやフジカンゾウが咲き出しています。キャンプ場脇でクサギの花が咲いています。葉っぱは臭いですが花は良い香りがします。
花糸が長く飛び出し、先端が5裂した花弁の元が長く伸びていて面白い形の花です。いろはの森コースの入口でミョウガの花を見つけました。花芽は料理の薬味にするのでスーパーでよく目にしますが、花はなかなかお目に掛かれません。
5号路ではウバユリが横向きに咲いています。山頂のヤマユリは花弁を落とし、青い実が上向きについています。カシワの大木が楢枯れ菌で葉っぱが茶色くなってしまいました。暑くて山頂はいつもの人出はありません。薬王院の境内ではレンゲショウマが咲き出し、朱色のフシグロセンノウと紫色のキキョウの花が眼を引きます。6月に沢山の花を咲かせたボダイジュには5mm位の丸い実が沢山ぶら下がっています。
1号路ではツチアケビに真っ赤なウィンナーソーセージのような実がついています。布流滝ではイワタバコが咲き残っています。ミミガタテンナンショウの実が赤く熟し、モミジガサやカシワバハグマが花茎を伸ばしています。高尾山では夏の花から秋の花に移り代わっています。
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ホットな高尾山情報 (33) (6月下旬編) ~高尾山は夏を迎える準備完了~
【2023年6月24日の情報、高尾山GC作戦担当】
梅雨入りした6月下旬の高尾山は、自然も施設も夏を迎える準備が進んでいます。
清滝駅前の池には、まだモリアオガエルの卵塊が残っています。駅入り口には七夕飾りがつけられ夏を迎える準備万端です。前川の沢沿いには満開を過ぎたヤマアジサイ、これから咲き出すアカショウマが風に揺れています。牧野富太郎が可哀そうな名前を付けたママコノシリヌグイがピンクの可愛い花をつけています。マタタビの葉っぱが白くなり虫を呼んでいます。
山道には5枚のスクリュー羽根のようなテイカカズラ、大小の花弁10枚が重なったような白いマタタビの花が沢山落ちています。キバナノショウキランや青い瞳のギンリョウソウがひっそりと咲いています。株が少し増えたクモキリソウも花をつけています。
もみじ台ではシラキが花穂を伸ばして下側に雌花、上側に雄花をつけています。オカトラノオが花穂をくねらせて咲き出しています。ムラサキニガナが風に揺れています。花も実も紫色のムラサキシキブにも沢山の花がついています。
薬王院の境内ではボダイジュの花が満開で良い香りいっぱいです。レンゲショウマの丸い蕾が膨らんでいます。ここ数年見かけなかったアオスズランが咲いています。ヤブレガサが花をつけ、ツチアケビが黄色い花を咲かせています。オオバジャノヒゲの花が咲き、オオバギボウシが花穂を伸ばし始めています。カモメヅルが紫色の小さな花をつけています。
ビアガーデンもオープンし高尾山は夏を迎える準備完了です。
写真撮影:飯塚義則さん
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ホットな高尾山情報(32) (5月末編) ~高尾山は春から夏に衣替え~
【2023年5月27日の情報、高尾山GC作戦担当】
5月は気温の上下が大きく真夏日になったり春先に戻ったりと、植物も戸惑っているかもしれません。高尾山では春から夏に衣替え中です。
日影沢林道入り口ではサイハイランが風に揺れて、武将が『突撃!』と采配を振っているようです。マタタビの葉っぱが白くなり花のありかを虫に示しています。
山道には色々な花が落ちています。5枚や6枚の花弁で雄蕊付きの白い花はエゴの花、雄蕊付きの黄色い花はイイギリの雄花です。白い3枚の花弁はガクウツギです。
日影キャンプ場のヤマグワの実が熟れて赤から黒くなってきました。
近くでヤブサメが「シリシリシリ」と小さな鈴を振ったように鳴いています。遠くでは「月日星ホイホイホイ」とサンコウチョウの声がします。
日影沢林道からもみじ台に登る逆沢作業道の入口の壊れた丸太橋が付け替えられました。
途中でカモシカに遭遇しましたが、あっという間に急な谷に下りて対岸の斜面に消えていきました。
高尾山域で初めて見ました。もみじ台ではシラキが花穂を伸ばして黄色い花をつけています。
不思議な形のオオバウマノスズクサの花が咲き残っています。山頂下では大きな葉っぱに隠れてムサシアブミが花をつけています。
卯の花が咲いていますが、♪~卯の花の匂う垣根に不如帰早も来鳴きて~♪のような香りはありません。
不如帰は鳴きながら飛んでいます。
1号路ではウメガサソウが小さな花をつけ、イナモリソウが5枚、6枚花弁の白い花やピンク色の花をつけています。花弁が細いホシザキイナモリソウも咲いています。スギの古い枝に付着したセッコクが花をつけています。
清滝の池ではモリアオガエルの卵塊があります。案内川ではカジカガエルが涼しげな声で鳴いています。
高尾山はもうすぐ夏です。
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ホットな高尾山情報(31)
【2023.5.1 気ままな小天狗より】
今年の春植物の開花は早いような気がする。寒さが抜けてからの温かさの気温が 一気に上がった日が続いた事が要因かな。例年より始動を早目にしたつもりだったが見ごろを見逃したり、偶然に観察できたり....
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フイリヒナスミレ(斑入雛菫)
2023.3.16 高尾林道
斑入りの葉と花を同時に撮影。 3年越しです!!。
(5号路でも観察、複雑な気分...)
サツキヒナノウスツボ(五月雛の臼壺)
2023.4.28 日影沢林道
日影沢林道に沢山の花をつけている一株に遭遇。高尾山で最初に発見された植物の一つと言われている。秋に咲くオオヒナノウスツボと花の形は類似。ラッキー!!。
マキノスミレ(牧野菫) 今熊山
2023.4.19 (右:2018 年撮影)
このスミレには牧野博士の名前がついている。朝ドラ “らんまん”を観て今熊山に向かったが、花は終わっていたので“葉”を撮影。右の写真は開花時に撮影したもの。
ミドリニリンソウ(緑二輪草)
2023.4.13 蛇滝
高尾に早春を告げるニリンソウ。今年も沢山の白色を観察。その中に緑色を見つける。諸説あるが幸運な気持ちにさせてくれる!!。
ホットな高尾山情報(30) (4月末編)
【高尾山GC作戦担当】
今年の4月は初夏のような陽気が続き、新緑の高尾山では春が足早に通り過ぎています。
今回は登山道が整備されて歩きやすくなった稲荷山コースです。早速キンランがお出迎えです。
ギンランもひっそりと咲いています。コゴメウツギやマルバウツギ、ミツバウツギが咲き始めています。ツクバネウツギは二つ並んで花をつけています。コマユミやニシキギが黄緑色の目立たない花をつけ、ツリバナの花が風に揺れています。高尾山で見つかったシロミノアオキが名前の通り白い実をつけています。
もみじ台ではヒメコウゾにとげとげの雌花と雄蕊の葯が白い雄花が咲き、ニガイチゴには花と若い実がついています。菫色したスミレが足早に過ぎる春を名残り惜しそうに咲いています。
山頂近くでは斑入りのヒナスミレが均整とれた葉を広げています。ホウチャクソウが二つ並んだ花を吊り下げ、ジュウニヒトエが淡い紫色の花を縦につけ、キランソウが濃い紫色の花を横に広げています。遅咲きのツボスミレが小さな花をつけています。オオバウマノスズクサに楽器のサクソフォーンの形をした花がさいています。
GWを迎え、新緑の高尾山頂は大勢のハイカーで賑わっています。
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ホットな高尾山情報(29)
2023/4/16 【25年 清水好博】
春の最盛期を迎えます。地味で普段あまり注目されない樹木の花も咲きだしました。
また、蕾をつけ咲く準備をしているものもあります。上を向いて歩いてみましょう。新しい光景に出会えるかもしれません。
なお、間違いに気付かれた方はご指摘ください。
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ホットな高尾山情報(28)
2023.04.10R4萩原 卓(もりもり会)
4月に入り、高尾山にも本格的な春が訪れている。自然は時には大きな災害をもたらすが、また一方では粋な計らいも忘れていない。毎年この頃になると、新緑の眩しさと自然美の饗宴が目を楽しませてくれる。これから美しい姿を披露しようと準備している様子も見られる。
アオキの雄花には、4本のおしべがあり葯は黄色く目立っている。しばらく一丁平の方へ足を向けるとサルトリイバラが咲いている。同系色で目立たないがしっかり個性を発揮している。
途中モミジバフウの新芽とつぼみも見られた。また、一丁平近くには、ホオノキの蕾が、いくつも見られ、その大きな華麗な姿をいつ見せようかと準備している。
ホットな高尾山情報(27) (3月末編)
【2023年3月25日の情報、高尾山GC作戦担当】
都心では14日に染井吉野の開花宣言が出て春本番です。高尾山でも清滝駅前の桜が満開です。
小仏バス停から歩き出すと川沿いのアブラチャンが黄色い花を沢山つけています。寶珠寺の桜が満開です。小仏峠への登りではヨゴレネコノが葉の色が鮮やかになり存在感を出しています。
ヤマネコノメソウは種をつけて名前の通り「猫の眼」の姿です。小仏峠ではジロボウエンゴサク、ヒナスミレがピンク色の花を咲かせています。エイザンスミレも咲いています。
小仏城山の桜が咲き出しました。週末の茶屋は登山客で賑わう処ですが25日は冷たい雨が終日降っていたので閑散としています。シモクレンが花を北の方向に傾けて咲いています。一丁平付近の山桜が薄茶色の葉と淡いピンク色の花をつけています。コブシは満開です。ホオノキの大きな冬芽は冬のコート(芽鱗)を脱ぎ捨て弾けだしたのもあります。
高尾山頂近くではシュンランが咲いています。一株に十数個の花をつけているのもあります。
雨の山頂は人が少なくひっそりして、山桜の花がしっとり雨に濡れています。アカネスミレがいつもの場所に咲いています。そばにジュウニヒトエの小さな蕾があります。霞台園地のニリンソウに小さな蕾がついています。
清滝駅前の池は、先月は水が無くてヤマアカガエルの卵が干からびてしまうと心配しましたが、今月は池の水が復活し、ぷちぷちのヤマアカガエルの卵とにょろにょろのアズマヒキガエルの卵がありました。
3月下旬の高尾山は頭上には桜が咲き、足元には菫があちらこちらに咲き、春爛漫です 〔写真提供久保さん、西出さん〕
ホットな高尾山情報(26)
2023.3.8 R4萩原 卓(もりもり会)
啓蟄のシーズン、高尾山にも春の訪れがはじまっている。今年のスギ花粉は多く、花粉症に悩まされながらも、春の暖かさに誘われて高尾山を散策した。
すでに、ヤマルリソウは咲き始め、ダンコウバイは黄色い花をつけている。またウグイスカグラの花も見られ、シュンランの花芽も膨らんできた。ふと足元を見るとテングチョウやヒオドシチョウがせわしなく地面に止まったり、舞ったり。
頂上では、多くの若い人でにぎわっていた。山頂標識では記念写真を撮っている。いつも見られる光景だ。富士山は霞んでみえないものの、ムラサキオニシバリやアセビの花も見られた。
これから、本格的に暖かくなってくると高尾山にもいろいろな草花が楽しめる。
植物約 1600 種類、昆虫類約 5000 種類といわれているが、まだまだ知らないものも多い。
今後も楽しみながら、観察を続けていきたい。