初夏の奥多摩棒杭尾根で自然を体感する

奥多摩・青梅の秘境を歩く⑨ 棒杭尾根―一杯水

開催日:2021年5月15日(土)

開催場所:奥多摩町

主催者:森林インストラクター青梅会

 今回は倉沢林道から棒杭尾根を登り、一杯水からヨコスズ尾根を下るコースを歩きました。参加者は9名、倉沢バス停で下車し倉沢林道に入ります。しばらくは林道歩きですが、渓谷に新緑が映え、ところどころに滝もかかっていて見飽きません。今は入れませんが対岸には倉沢鍾乳洞があり、大岩壁が覆いかぶさってくるようです。渓谷沿いではミソサザイがさえずり、姿も見られました。魚留の滝から先は林道が崩壊している箇所があり、慎重に歩きます。まもなく林道は終わり、沢に降りることもできます。この付近はナガレタゴガエルの生息地で、2月の繁殖期には姿を見ることもできます。

 ここから棒杭尾根に取り付きます。人工林の中の急傾斜が続きます。しばらく登ると落葉樹も出てきて少し明るくなります。足元にはフモトスミレが咲いていました。さらに登るとはっきりした尾根上に出て、見通しもよくなります。しかしこの日はガスがかかっていたため、あまり景色は見えませんでした。急傾斜は続きますが気持ちの良い道を登り、平らになったところで昼食にしました。シロヤシオがきれいに咲いていました。この付近はブナ、ミズナラなどの大木が林立して壮観です。道も平らになり、ひと登りで長沢背稜の縦走路に出ました。

 ここから一杯水に向かいます。途中ワチガイソウと思われる花が咲いていました。一杯水はわずかにたれている程度でした。避難小屋からヨコスズ尾根を下ります。この付近はコガラの鳴き声がよく聞かれました。またヒガラ、ヤマガラ、キビタキ、オオルリなどの声も聞かれました。途中ミツバツツジとシロヤシオのコントラストが見事でした。長いトラバース道からまた人工林の中に入り、最後の下りのところでミツマタにそっくりの枝ぶりをした木があり、調べたところコショウノキと思われました。東日原からバスに乗り奥多摩駅で解散。皆さん健脚で充実した山歩きを楽しむことができました。

 

スタッフ、報告者:小太刀 健

 

参加者:9名